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paranoid妄想性障害とは?
精神医学における「妄想」とは
まず、精神医学における「妄想」とは、「事実でないことを確信しており、訂正できない状態」のことを指します。
一般に使われる妄想とは意味が異なります。
妄想性障害とは
妄想性障害とは、上記でご説明した「妄想」が長く続いてしまう障害です。
統合失調症とは異なり、幻覚は強く現れません。
また現れた場合も、妄想に関連する幻覚に留まり、突拍子もない幻覚はみられません。
さらに、感情が乏しくなる、意欲が大きく減退するといった症状もみられません。
このように、妄想性障害では、妄想を主症状とし、他の症状が少ないため、ご家庭での日常生活に大きな支障をきたすケースは多くありません。
しかし、より協調性が求められる社会生活(仕事・結婚生活など)においては、問題が表面化しやすくなります。
paranoid妄想性障害の分類と症状
妄想性障害は、以下のように細かく分類され、それぞれ症状(社会生活上の問題)が異なります。
もっとも頻度が高いのが、「被害型」です。
被害型
誰か(実在する人)から嫌がらせ、不当な攻撃を受けているという妄想をします。
根拠なく同僚が自分を貶めようとしている、隣人が嫌がらせをしている、などと思い込むケースです。
報復として、暴言・暴力に発展することがあります。
被愛型
ある人が自分に対して恋愛感情を持っているという妄想を抱きます。
ここでの「ある人」とは知人とは限らず、街中でたまたま見かけた人、テレビに映る芸能人なども含まれます。
またこの妄想により、ストーカー行為に及んでしまうことがあります。
誇大型
実際にはない優れた才能・能力を自分が持っている、自分が重大な発見をした、著名人と親しい関係にあるといった妄想を抱きます。
嫉妬型
些細なことから配偶者や恋人が不倫・浮気をしていると妄想します。
例えば、少し帰宅が遅くなっただけで不倫を確信し理由を説明されてもきく耳を持たない、といったケースです。
嫉妬から、暴言や暴力へと発展することがあります。
身体型
自らの身体、身体の性質について、主にネガティブな妄想をしてしまいます。
実際はそうではないのに、自分がとても醜い、臭い、変形していると思い込むようなケースです。
paranoid妄想性障害の原因
妄想性障害のはっきりとした原因は、未だ解明されていません。
しかし、遺伝的要因、環境的要因が発症に影響しているとの見方が強くなっています。
paranoid妄想性障害の治療
患者様によっては、妄想症状が強く、周囲からの助け(治療・家族からのサポート)を拒否することがあります。
治療の大前提として、医師と良好な関係を構築することが欠かせません。
診療に危険が伴う場合には、入院が必要になります。
精神療法
妄想性障害は、現在のところ有効な治療法が見つかっていません。
しかし、認知行動療法によって症状の改善が認められたケースがあります。
薬物療法
一般に、妄想性障害の治療において薬物療法は行われません。
ただ、抗精神病薬の使用によって、症状の改善が期待できることがあります。
paranoidお仕事について
休職・入院が必要になることも
妄想性障害と診断されても、多くの人は、仕事を継続することが可能です。
ただし、治療にあたり医師と良好な関係を結ぶことが難しい、症状が重いといった場合には、休職・入院が必要になることがあります。
医師が必要と判断した場合には、休職や入院が必要である旨を明示した診断書を作成します。